昔から「渋い俳優さんだな」と思っていた田中泯 さん。
実は世界的な前衛舞踏家でもあるのですが、
正直なところ、おさぴーはその舞台をまだ観たことがありません。
それでもなお、
「俳優」としての田中泯さんに、
おさぴーはどうしようもなく惹かれてしまうのです。
最初に映画で観たのは、たそがれ清兵衛。
あのときの存在感は、
今思い出しても、ちょっと異様でした。
決して多くを語らないのに、
画面の空気ごと支配してしまうような佇まい。
「あ、この人は普通の役者じゃない」
そんな違和感にも似た感覚が、ずっと残っています。
そして先日観た「HOKUSAI」での田中泯さんのすがた。

葛飾北斎という強烈な人物像を、
“演じている”というより、“そこにいる”と云う感覚。
あの生々しさは、正直言って衝撃でした。
演技というより、存在そのものが作品になっている。
そんな感覚です。
多くのレビューがついている人気の作品には、
少し距離を置きたくなるへそ曲がりなおさぴーですが(笑)
「HOKUSAI」からの流れで遅ればせながら、
話題になっていた映画「国宝」を観に行ってきました。
結果としては──観てよかった。
3時間という長さを感じさせないほど、物語に引き込まれました。
ただ、おさぴーの中で際立ったのは、やはり田中泯さん。
演じられていた小野川万菊という役は、
もはや「役」なのか「存在」なのか分からなくなるレベル。

特に驚かされたのは、
80歳にして伝統舞踊の“型”に挑戦していること。
普通なら「年齢的に無理」と言われる領域を、
軽々と飛び越えてしまう。
しかも、ただこなすのではなく、
圧倒的な説得力で“自分のものにしている”。
俳優という枠を超えている。
そう感じたおさぴーです。
73歳のおさぴーから見ると、この姿はグッときます。
「まだまだいけるな」なんて軽い言葉では片付けられない。
もっとこう──
“生き方そのものが表現になっている人”を見たときの刺激。
まだまだ先は、愉しい。
そう思わせてくれる存在がいること自体、ちょっとした希望です。
もし、どちらか一本をもう一度観るなら、
おさぴーは「HOKUSAI」を選ぶかもしれません。
でも、「国宝」で魅せたあの異次元の存在感も、
間違いなく記憶に残り続けるでしょう。
田中泯という人は、
“演じる人”ではなく、“在る人”なのかもしれませんね。
おさぴーの好きな俳優さんへの感想でした。
今日も読んでいただいて、ありがとうございます。