- 今、思い返しても、ストックホルムで感じた空気はとても印象的でした。
- それは、装いと靴の関係です。
- そして本当は、それは靴だけの話ではないのでしょう。
- 足の悩みも、靴選びも、人生の進み方も、人それぞれです。
人はもっと、自分に合った生き方をしていい。
一昨年訪れたストックホルムの街で、そんなことを何度も感じました。
今日はその旅で見えたことと、おさだウイズ店がこれから目指したい方向について書きます。
※この文章は旅の途中で書いたものをもとに、あらためて整えたものです。
今、思い返しても、ストックホルムで感じた空気はとても印象的でした。
ただ街並みが美しいとか、建物がお洒落だとか、そういうことだけではありません。
そこにいる人たちが、それぞれにとても自然で、自分らしく見えたのです。

装いも、履いている靴も、過ごし方もみんな違う。
でも、その違いがちぐはぐではなくて、むしろ街の風景としてしっくりなじんでいる。
「こうでなければいけない」という窮屈さが少なくて、どの人も自分の感覚で暮らしているように見えました。
それが、とてもいいなと思ったのです。
この時の旅は、「ワールド航空サービス」さんの滞在型ツアーで出かけました。
往復の交通やホテル、細かな段取りは整っている。けれど、現地では自分のペースで動ける時間がある。
全部お任せの団体旅行とも違うし、完全な個人旅行とも違う。
その中間のような、この“ちょうどよさ”が、おさぴーにはとても心地よく感じられました。

若いころなら、多少無理をしてでも効率よくたくさん見て回る旅も楽しかったのかもしれません。
でも、これからの人生は、そういう「詰め込む豊かさ」だけではないのだと思います。
安全であること。
無理がないこと。
それでいて、自分で選べる余白があること。
この旅のかたちは、これからの生き方そのものにも少し似ている気がしました。
全部を自分ひとりで背負わなくてもいい。
でも、全部を誰かに決められるのも違う。
守られながらも、自分の意思で選べること。
そのバランスが、人生後半にはとても大切なのではないか。
そんなことを、異国のホテルの一室で考えていました。
ストックホルムの街を歩いていて、もうひとつ強く感じたことがあります。
それは、装いと靴の関係です。
海外からの旅行者も多く、街には本当にさまざまな人がいました。
基本的にはスニーカー姿の方が多いのですが、そのなかにも「おっ、いい靴だなぁ」と思わず目を留めたくなる人がたくさんいました。
しかも、ただ洒落ているだけではないのです。
その人らしい服装のなかに、ちゃんと“歩ける靴”が入っている。
見た目の美しさと、どんなに歩いても疲れにくいこと。
その両方を自然に成り立たせている人が本当に多い。

これは、おさぴーにとって大きな学びでした。
靴は、ただ履ければいいものではありません。
高ければいいわけでもないし、流行っていればいいわけでもない。
その人の暮らしに合っていて、その人の身体に無理がなく、しかもその人らしさまで損なわない。
そこまで行ってはじめて、「いい靴」なのだと思います。
そして本当は、それは靴だけの話ではないのでしょう。
服も、道具も、働き方も、住まい方も、旅の仕方も同じです。
誰かの正解に合わせるのではなく、自分に合っていること。
無理をしないこと。
でも、どこか気分が上がること。
そういうものを選べるようになると、人は少し楽に、少し自由に生きられるようになるのだと思います。

おさだウイズ店が、ずっと目指してきたことも、結局はそこだったのではないか。
ストックホルムの街を歩きながら、そんなことをあらためて考えていました。
私たちは靴を売る店です。
でも、靴だけを売っていればいいとは、ずっと思っていませんでした。
足に合う靴を通して、もっと楽に歩いていただきたい。
出かけるのが億劫だった方が、また外に出たくなるように。
旅を楽しみたい人が、疲れを気にせず歩けるように。
仕事をがんばる方が、一日の終わりに足の苦痛でぐったりしすぎないように。
そんなふうに、その方の暮らしそのものを少しでも快適にできたらと思ってきました。
だから本当は、「靴屋」という言葉だけでは少し足りないのかもしれません。
おさぴーがやりたかったのは、単なるモノ売りではありません。
その人の旅や暮らしや仕事のなかで、その人がその人らしく輝けるように支えること。
言葉にするとちょっと大げさですが、要はそういうことなのです。
この4月で、おさぴーはお店の第一線から離れました。
けれど、だから終わり、という感じはあまりしていません。
むしろ、ここからやっと、もっと本質的なことを言葉にしていけるのかもしれないと思っています。
これから先、世の中はますます便利になるでしょう。
モノは簡単に買えるし、情報もすぐ手に入る。
AIだって、かなり賢いことを言うようになる。
でも、それでも最後に必要なのは、「この人は私のことを分かろうとしてくれている」と感じられることではないでしょうか。
足の悩みも、靴選びも、人生の進み方も、人それぞれです。
だからこそ、画一的な答えではなく、その人に合った整え方が必要になる。
おさだウイズ店も、これからはそんな方向へ、もっと進んでいけたらいい。
靴を通して、快適さや安心や、ちょっとした嬉しさを届ける。
そして、人生をこれからも気持ちよく歩いていくための、小さな支えになれたらいい。
おさぴーは、そんなふうに思っています。
ストックホルムで見た、あの自然な装い。
自分らしく、無理なく、でも素敵に歩いている人たちの姿。
あれは、単なる旅の思い出ではありませんでした。
これからの生き方への、ひとつのヒントだったのだと思います。
人はもっと、自分に合った生き方をしていい。
もっと、自分に合った靴を履いていい。
もっと、自分に合ったペースで、人生を歩いていい。
おさぴーも、そうありたいと思います。
そして、そう歩いていく方々を、これからも応援していきたいのです。